あなたは、日々の思考や感情が、あなたの人生の質を決定づけていると感じたことはありませんか?
精神科医・思想家であるデヴィッド・R・ホーキンス博士(Dr. David R. Hawkins)は、人間の意識を単なる心理状態としてではなく、エネルギーの周波数として捉え、測定可能な「意識レベル(Levels of Consciousness)」として体系化しました。
博士が提唱した「意識の地図(Map of Consciousness)」は、「恥」や「罪悪感」といった低いエネルギーレベルから、「愛」、「平和」、そして「悟り」といった高いレベルまでを、対数スケール(1から1,000)で分類しています。
あなたが今、閉塞感を感じているなら、それは「意識レベル(エネルギーレベル)」が影響しているかもしれません。
同じ行動をしていても、どんな「意識の状態」で行うかによって、結果は天と地ほど変わります。
本記事では、デヴィッド・R・ホーキンズ博士の名著『パワーか、フォースか』で提唱された「意識のマップ」をもとに、全17段階のレベル詳細と、人生を好転させるための具体的な活用法を解説します。
これを読めば、現在の自分の立ち位置を客観的に知り、次のステージへ進むためのヒントが得られるはずです。
デヴィッド・R・ホーキンズ博士と「意識のマップ」の基本
まず、この概念の提唱者であるデヴィッド・R・ホーキンズ博士(David R. Hawkins, M.D., Ph.D.)について触れておきましょう。彼は精神科医であり、意識研究の第一人者です。
彼が数千件の調査とキネシオロジーテスト(筋肉反射テスト)を経て導き出したのが、人間の意識レベルを1〜1000の数値で表した「意識のマップ(Map of Consciousness)」です。
数値は「対数」で増えていく
この1〜1000という数値は、単純な足し算ではありません。対数(ログ)で計算されています。
つまり、レベルが「1」上がるだけで、そのエネルギーの強さは何倍、何十倍にも増幅します。
- レベル100の人: 何百人集まっても、レベル300の一人のポジティブな影響力には敵わない
- レベルが高い人: 存在するだけで周囲を癒やし、物事を好転させる力を持つ
「パワー」と「フォース」の決定的な違い

ホーキンズ博士は、エネルギーを大きく2つに分類しました。
- フォース(Force/偽りの力):無理やり動かす力。競争、支配、恐怖が原動力。消耗し、常に反発を生むため、維持するのに莫大なエネルギーが必要です。
- パワー(Power/真の力):内側から溢れる力。協力、愛、受容が原動力。生命力を与え、自然と人が集まり、物事がスムーズに運びます。
【一覧表】意識レベルの17段階・全詳細
それでは、17段階の意識レベルを見ていきましょう。
大きく分けて「悟り・平和」「愛・理性」「勇気・中立」「ネガティブ(フォース)」の4つの領域で解説します。

1. 悟りと平和の領域(レベル600〜1000)
人類の歴史上、稀有な存在たちが到達した領域です。
| 数値 | レベル名 | 感情・特徴 | 人生観 |
| 700 – 1000 | 悟り (Enlightenment) | 純粋な意識 | あるがまま (Is) |
| 自我が消滅し、二元性を超えた状態。ブッダ、キリスト、クリシュナなどのレベル。 | |||
| 600 | 平和 (Peace) | 至福 | 完全 |
| 思考が静まり、無限の静寂に包まれる。世界人口の1000万人に1人と言われる領域。 |
2. 愛と理性の領域(レベル350〜540)
社会的に成功し、他者へ貢献できる「パワー」に満ちた領域です。
| 数値 | レベル名 | 感情・特徴 | 人生観 |
| 540 | 喜び (Joy) | 静穏・慈悲 | 完結 |
| 状況に左右されない内発的な喜び。聖者、高度なヒーラーの領域。 | |||
| 500 | 愛 (Love) | 崇敬 | 恩恵 |
| 恋愛感情ではなく「無条件の愛」。すべてを許し、育む姿勢。理性を超えた直感力。 | |||
| 400 | 理性 (Reason) | 理解 | 意味 |
| 科学、医学、哲学のレベル。論理とデータを重視する。アインシュタインやフロイトなど。 | |||
| 350 | 受容 (Acceptance) | 許し | 調和 |
| 「自分が人生の源(ソース)である」と理解し、責任を引き受ける。否定せず受け入れる。 |
3. 勇気と中立の領域(レベル200〜310)
ポジティブな人生のスタートラインです。
| 数値 | レベル名 | 感情・特徴 | 人生観 |
| 310 | 意欲 (Willingness) | 楽観 | 希望 |
| 成長へのエネルギーが高い。困難を壁ではなく「学び」と捉える。仕事で成功しやすい。 | |||
| 250 | 中立 (Neutrality) | 信頼 | 満足 |
| 「こうでなければならない」という執着がない。柔軟で、批判的にならず、安心感がある。 | |||
| 200 | 勇気 (Courage) | 肯定 | 実行可能 |
| 【重要な分岐点】 変化を恐れず、新しい一歩を踏み出す力。人生が肯定的に回り始める。 |
4. フォース(ネガティブ)の領域(レベル20〜175)
生命エネルギーを消耗させ、他者や環境のせいにする「被害者意識」の領域です。
| 数値 | レベル名 | 感情・特徴 | 人生観 |
| 175 | プライド (Pride) | 嘲笑・優越感 | 要求 |
| 一見ポジティブだが「誰かより上」であることに依存するため、崩れやすい。傲慢さ。 | |||
| 150 | 怒り (Anger) | 憎しみ | 敵対 |
| 欲求不満や恨み。破壊的だが、無気力よりはエネルギーがあり、行動の引き金にもなる。 | |||
| 125 | 欲望 (Desire) | 切望 | 失望 |
| 金、名声、快楽への執着。「もっと欲しい」という渇望が終わらず、自分を苦しめる。 | |||
| 100 | 恐怖 (Fear) | 不安 | 脅威 |
| 世界を危険な場所と捉える。防衛的で猜疑心が強く、成長が阻害される。 | |||
| 75 | 深い悲しみ (Grief) | 後悔 | 悲劇 |
| 喪失感、落胆。過去に執着し、「失ったもの」ばかりに目が向く。 | |||
| 50 | 無気力 (Apathy) | 絶望 | 希望がない |
| 生きる気力の欠如。貧困やホームレス状態に多く、他者の助けが必要。 | |||
| 30 | 罪悪感 (Guilt) | 非難 | 悪 |
| 自分を責め、無意識に罰を求める。事故を引き寄せたり、自虐的になる。 | |||
| 20 | 恥 (Shame) | 屈辱 | 惨め |
| 「消えてしまいたい」という自己否定の極致。死に近い危険なエネルギー。 |
人生の分かれ道!最重要ライン「レベル200(勇気)」とは?
このマップの中で最も重要なのが、レベル200(勇気)のラインです。ここが「フォース(ネガティブ)」と「パワー(ポジティブ)」の境界線となります。
200未満:エネルギーを「奪う」生き方
200未満の意識レベルにいる時、人は「環境や他人の犠牲者」として振る舞います。
「景気が悪いから」「上司が悪いから」「あの人のせいで」と考え、幸せを外部に依存します。この状態は自分自身の生命力をすり減らすだけでなく、周囲のエネルギーも奪ってしまいます。
200以上:エネルギーを「与える」生き方
レベル200の「勇気」を超えると、人は「自分の人生の責任は自分にある」と気づきます。
不満を言う代わりに、「じゃあ、どうすれば良くなるか?」と行動(Action)を起こせるようになります。ここから初めて、人生が好転し、周囲にポジティブな影響を与え始めます。
自分の意識レベルを高める具体的な方法
自分の現在のレベルが低かったとしても、落ち込む必要はありません。意識レベルは固定されたものではなく、日々の選択で変えていけるからです。
レベルを上げるための3つのステップをご紹介します。
1. 自分の感情を否定せずに「気づく」
まずは現状把握です。「あ、今自分は怒っているな(150)」「不安を感じているな(100)」と客観的に観察してください。
ここで「怒ってはダメだ」と自分を責めると、さらに低い「罪悪感(30)」に落ちてしまいます。ただ、「そう感じている自分」を認めるだけでOKです。
2. 「200以上」のエネルギーに触れる
意識は伝染します。レベルの高い人、場所、物に触れる時間を増やしましょう。
- 人: 愚痴ばかり言う飲み会を断り、前向きな人が集まる場所へ行く。
- 本・芸術: 古典的な名著や、美しい音楽、芸術作品に触れる(これらは高いエネルギー測定値を示すことが多いです)。
- 場所: 自然の中や、清掃が行き届いた空間で過ごす。
3. 「感謝」と「受容」を習慣にする
手っ取り早くレベルを上げる最強の方法が「感謝」です。
感謝のエネルギーはレベル500(愛)や540(喜び)に近い波動を持っています。日常の些細なことに「ありがとう」を見つける習慣は、強制的に意識レベルを引き上げます。
まとめ:意識レベルを上げて、努力不要の「パワー」で生きる
デヴィッド・R・ホーキンズ博士の意識のマップは、今の自分の心の状態を知るための優れた羅針盤です。
もし今、行き詰まりを感じているなら、無理やり状況を変えようとする(フォース)のではなく、まずは自分の内側の状態をチェックしてみてください。
恐怖やプライドを手放し、「勇気」を持って一歩を踏み出し、「受容」の心で世界を見た時、あなたの現実は驚くほどスムーズに動き出すはずです。










